なぜか 石元泰博 ふう

浜町公園

今にも雪の落ちて来そうな曇り空を写して白っぽく見えていますが、黒御影石の椅子です。

浜町公園のこの椅子の上に葉っぱのお札が何枚も風に飛ばされないように小石で重石をかけたまま置き忘れられてありました。

それを写真に撮ったら、なんだか石元泰博の桂離宮っぽくなりました。

石元さんといえば、亡くなった小川隆之さんから昔こんな話を聞いたことがあります。

超超売れっ子だった立木義浩さんが撮影を終えて帰る道すがら、彼は大きなリムジンに乗って後ろの席で足を伸ばしてのうのうとしてくつろいでいたそうです。

車が銀座通りを松屋の前に差し掛かった時、歩道をおおきな大きな「エイトバイテン」のディアドルフというカメラを三脚をつけたまま肩に担いでヨタヨタ歩く爺さんがいたそうです。

窓に寄って良く見るとそれが石元さんだったそうです。

後ろにはアシスタントがフィルムホルダーの入ったおおきなバッグを肩にかけてこれもヨタヨタ後についていたそうです。

これから撮影に行くのか、それとも帰りなのか、どちらにしても車にも乗らずカメラを自らの肩に担いで移動している姿に出会ったそうです。

それを見て立木さんは「俺は車降りて、石元さんに謝りたくなったよ」と、そんな話を小川さんに聞かせたことがあると聞きました。

「それを聞いて、小川さんどう思ったんですか?」とわたしが訊くと「俺でも土下座したかもね」と。

この話を聞いてわたしはなんだかいい話だなあ、と思いました。

それ以来、わたしは石元泰博さんの写真を見ると、いつも忘れていたものを思い出させてくれるような気がして、いい気分になります。

それと、石元さんのバウハウス仕込みの造形が好きなんです。

かっちりしていてスキがないのにどこか優しい写真が好きです。

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