桜が一番美しくない時期

立原道造 墓

桜の木は一年でいつが一番美しいのか?

そりゃ、やっぱり満開の桜の上に月が出ている景色、と言えるかもしれませんが、個人的には盛りを過ぎた桜に風の吹く日が美しいと思っています。それは経験から来るんでしょうね。

何年も前の事ですが浅草の土手で風の強い日に満開を過ぎた桜に出会ったことがあるんです。
そりゃあもう初めて見る光景でした。
前が見えないほどの桜吹雪、無数の花びらが風に舞って私に押し寄せてきたんです。
綺麗でした。
一吹きにすべての花が散っていくような錯覚がありました。

で、昨日ですね、そんな期待をいだきながら谷中の墓地を散歩したんですが、おそすぎました。
花はあらかた散って、シベだけが残って、葉はまだ出ていない。
桜が一番みじめに見える。

なので墓地以外どこかのお寺に八重でもいいから花が残っていないかと歩いていると、多宝院というお寺の中に花のきれいな木を見つけました。なんて言う種類かわからないんですが、花が小さく可憐で色があざやかな花でした。

花につられて入ったんですが、そこに立原道造の墓が有ったんです。
「あの日たち羊飼いと娘らのように、、、」
前に書いたことがあるんですが、立原道造には多少縁があります。
彼と東大の建築家で同級だった建築家と親しくお付き合いしていた時期があって、その方に立原の手紙を何通も見せてもらったことが有ったのです。ナマの日本文化に触れた気持ちがしてとても感動したんですが、それ以来の立原道造でした。

偶然の巡り合い、でした。

桜には出会えなかったんですが、文化の香りをかぎました。

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