カラスの死

方南通りを弥生町から環七へ向かって車で移動中に反対車線にいたカラスを見つけました。車を止めてそばに行くとこんな姿で硬直していました。カラスの濡れ羽色と形容される羽のつややかな色はすでに褪せていました。体に傷が無いことから病死か、何か悪いものにあたったかしたんでしょうね。ハシボソなのかハシブトなのかわかりませんが割合に小型の体形でした。近づいてみると頭などは羽というよりは毛に近いものが密生していて動物のような感じでした。目がうつろでこの空ろさはこちらに感染してきそうなどんよりとした濁り方で、このあたりがその死の彼にとっては理不尽であったことをうかがわせています。

カラス

都心にあれだけの数のカラスがいるのですから毎日何羽かは死んでいるんでしょうにその姿は滅多に目にしませんから、こうして目の前でその屍骸を見るとちょっと形容しがたい感じがわいてきます。死があることを知っていることと、死が見えることとの間には非常に大きな差があります。イラクで結婚式のさいちゅうに誤爆されて大勢の人が亡くなったことを知っているのと、そこでその死を見るのとではわき上がる感情はまるで違うでしょう。それを補うのは想像力です。想像力が無ければその場にいた人の気持ちへはたどりつけません。したがって想像力の欠如した人間ほど恐ろしいものはありません。これ以上書いているとどんどん過激になりそうですからこの辺でやめますが、一羽のからすの死から様々なことを思った一日でした。

カラス

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