画廊まわり

昨日は画廊まわりをしてきました。最初に写真美術館で APA展。ところが前日の振替で休館日。友人の写真家Oさんが4回目の入選をしたので見に行ったのでした。作品の出力を私のところでやったということもありますし。彼は4回入選なので、どなたの推薦がなくともAPA会員になれるそうです。彼の作品を選んでいるのは多分彼より若い選者たち。若いときに入会していれば今頃はAPAの重鎮の年代。それなのに応募するのは何故?きっとそういうことをするのが好きなんでしょう。今から売れようということでもないでしょう、たぶん。もう十分売れたんですから。二人のお子さんを大学卒業させ、横浜に豪邸を建て、山中に別荘地を持ち、家族には外車を与え、自分はスポンサーの関係でずーっとスバル。この人が私に「ハッセルは売らない方がいいと思うよ」といった人。人と違うことをする、人が恥ずかしがることも平気、世間の常識では推し量れないタイプの人です。「会員になったら」「いや、会費がもったいない」どこまでもマイペースの人です。
で、恵比寿から銀座へでてまずは写真界のそれこそ重鎮たちの三人展へ。

三人展

三人三様の写真でおもしろかった。長友さんも木村さんもおおいにお元気。ただ熊切さんが大腸がんで4,5日前に入院されたとのこと。展覧会用の写真を選んで、入院されたそうです。手術は無事すみ、転移も見られず、経過は良好なようです。前回の大病からも復帰されたのですから多分大丈夫でしょう。速やかなご回復を祈りたいと思います。

それから井津建郎さんのプラチナプリント展へ。この人は先のOさんの友人。ニューヨーク在住。日本ではあまり知られていませんが、アンコールワットへ14 X 20インチのフォーマットのカメラを持って出かけて撮影して来た人です。それを密着でプラチナに焼いて、世界的に評価を受けました。プリント1点の値段が50万円以上。それが世界中の美術館、コレクター、個人に売れたために彼には莫大なお金が入ったのでした。そこで彼はこの幸運を与えてくれたカンボジアにお礼がしたくなり、かの地に子供専門の病院を建てました。その病院は今でも稼働中ですが、病院は建てることよりもその維持にもっとお金がかかるために、彼は今もせっせとプラチナプリントを売っているわけです。日本で彼の全作品を買い上げた個人がいます。著名な写真家の細江英公さんです。写真家が写真を買う。買ってもらった写真家にとって、これほど勇気の出ることはありません。私も一昨年の展覧会で、熊切さんと木村さんに作品を買ってもらいました。本当に感謝感謝で涙が出そうになりました。

余談ですが、いろいろな場所で、様々な展覧会で写真家を紹介されます。おしなべて海外の写真家たちはその風貌も発言も芸術家、という雰囲気がありますが日本の写真家は有名無名を問わず、なんだか芸能人ポイのです。この差は何なんでしょうね。自戒を込めて反省。

本題の井津さんの写真ですが、私はカンボジアよりこちらの方が好きです。静謐で深みがあって、ヌードも妙に日本的で面白い。近頃日本ではやりのプラチナプリントはプラチナプリント風、であってまがいものです。4×5で撮って8×10や11×14にポジ伸ばしをしてさらにネガ取り、それをプラチナペーパーに焼く。これでははじめから4×5で11×14にシルバープリントした方が調子が出るに決まっています。井津さんのように苦労して大きなカメラで撮影して下さい。井津さんの展覧会は3/23、今日まで。銀座4-3-5シモセファインアートtel03-5250-8008

最後に松屋で「日本のおしゃれ展」着物文化は絶滅寸前ですが、やはりいいですね。ことにデザインがすばらしい。かつて日本のデザインを海外の芸術家たちがこぞって真似をしたのもこういうものを見ると頷けます。
それにひきかえ、最近の日本人がブランド名をべたべたプリントしただけのバッグや衣類を血眼になって買い漁っている有様はおぞましくさえあります。お金だけあって眼がないとそういうことになります。自分で評価ができないからお仕着せになる。そうしていいお客様になって、馬鹿にされていることに気づかない。荒廃とか荒涼とか形容したくなる風景です。日の丸掲げて君が代歌ってれば日本人になれると考えているようではこの傾向はますます激しくなってゆくでしょうね。

本日は「小言幸兵衛」でした。お耳障りはご勘弁を!

井津建郞

おしゃれ展入場券

井津さんの個展歴はwww.shimose.jpでどうぞ

3人展は銀座キャノンサロン 4/2まで

おしゃれ展は銀座松屋 3/28まで

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