消える職業

時代が移ると共に人の営みも変わっていきます。
昔は屑やさんという仕事があって、家の中でいらなくなったものを、僅かではありましたが買っていってくれたのです。
「くずーい、おはらーい」という呼び声でリヤカーを引きながら町内を回ってきて、
ひとしきり町内の屑を集めきると、隣町へとまわっていく。
新聞紙や雑誌、紙くずの類が主で、今なら資源ゴミに出すようなものが、その頃は売れました。
しかし今、その屑やさんという職業はありませんね。
わたしがCXにお世話になっていた頃、ちょうどニュースはENGへと変わるところでした。
エロクトリックニュースギャザリング、といったと思いますが、
要するにそれまでフィルムで撮影していたものがVTRへと切り替わる時だったんです。
ムービーカメラマンはVTRカメラを持って取材に行くことをほとんど例外なくいやがりました。
理由は色々あったんでしょうが、ともかく嫌がった。
それが今フィルムで取材しているカメラマンはいません。
機械が変われば撮り方も変わります。
100フィートで一巻きのフィルムをカメラに入れていれば、三分ほどでフィルムはなくなってしまいます。
でもVTRなら30分、1時間と回し続けられます。
撮影方法が変わってしまうのです。
細かくカット割りして撮っていたものが、ぶんぶん回しっぱなしで、あとで編集さんにお任せ、みたいになってしまいました。
これはカメラマンという職業が消えたわけではありませんが、技術が消えていった。
今われわれフォトグラファーはやはりフィルムからデジタルへの変更を余儀なくされています。
ここでも、フィルム時代に培われた技術のかなりが消えてゆきます。
そしてそればかりが、デジタルが進んだせいで、撮影が消えてゆくということになりつつあります。
さあ、カメラマンは消える職業なんでしょうか?
何人かは残るのでしょうか?
少なくとも商業写真家は今ほどの人数は必要ない時代は、もうそこまで来ているんでしょうね。
さあ、どうしましょう。
人を乗せて、船は行く。

隅田川の水上バス

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