ウィーンから

ウイーンのミカンウイーンのミカン前に何度か書いたことのあるウィーン在住の友だちからこんな写真が送られてきました。オレンジ。おしゃれですよね、箱。うすい板を箱に仕上げる方法が面白い。ざっと数えて24個。これ一人で食べたんだそうですから驚きですが、もっと驚きなのが、この値段。こう書けば安いんだろうな、とみなさん想像はするでしょうがそれでもあたらないと思いますよ。これ、300円ですと。東京は物価が高い。高すぎます。東京じゃ300円でこの箱も買えないでしょう。実に驚きですね。ヨーロッパが長期経済不況とか、ききますけど。そこに住んでいる人から送られてくる情報を見ますと、単に国民総生産とか数字で示される経済指標よりも、実体経済というか、感覚で受ける経済指標は日本よりずっと豊かな気がします。日本の経済の世界何位とか言う数字は生活必需品や交通費まで高値に置いて得られた数字です。こういう数字は、そこに暮らす人の実体を反映しません。給料が多少安くとも、必需品の値段が安く、交通にお金がかからなければ、生活はゆとりを持って送れます。どうもその辺が日本の官僚は斟酌しないので、数字ばかりが世界第二位やら三位やらと聞かされても、実感がわかないんですね。文化に関わる単価も随分違いますよね。
思うんですけど、公立の美術館、画学生はタダでいいですよね。でも役人はそうは考えないのです。タダで入れる人とお金を払わなければ入れない人がいるのは、公平性に欠ける、と考えるみたいですね。確かに誰でも絵描きになれるわけじゃない、特定の人間だけが絵描きになる資格があるという制度においてなら、画学生の入場料がタダというのは公平を欠くでしょう。でも誰でも絵描きになれるんですから、絵描きでない人は絵描きを選ばなかったんですから、画学生をタダにしてもそれは公平性を欠くと言うにはあたらないんじゃないでしょうか。将来そこへ所蔵されるかも知れない絵を描く可能性のある人達に、見聞の門戸を広く開放するのは、国の文化行政として必要なことなんじゃないでしょうか。コンサートの天井桟敷に音大生向けの無料立ち見席を作るとか、お金をかけないでもできる文化行政は山ほどあります。でもそれは行わない。どこの企業にも利益を生まない施策は採用されない風土がありますから、たぶんこれから先も日本が文化先進国になることはありえないでしょう。さびしいですね。ヨーロッパから送られた、300円のミカンの写真を見て、そんな大それたことを思いました。

“ウィーンから” への1件のコメント

  1. Nosal より:

    このミカンは特別価格だったんでしょうね?私がウイーンに行った時、物価の高さ東京に匹敵するんでは、と思った位なので・・・。
    先進国間での物価を比較すると、カナダ、特にカルガリーは、トルコと肩を並べるほど安いらしいです。もっとも、最近は石油ブームで、家の値段が数年前に比べ2倍以上になったようですが。
    美術館への入場無料の話ですが、パリの美術館は、18歳未満(旅行者も含める)タダで、さすがと感心させられました。ちなみにルーブルは長い行列を我慢すれば、月曜日はタダでした。

    ルーブル訪問はもう7年ほど前になります。思い起こしてみれば、タダの日は月一回、第一?月曜日だったと思います。訂正。

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