気をつけましょう

高速道路橋桁

気をつけることが幾つかあります。まず写真ですが、昭和通り江戸橋に架かる首都高の橋げた。長い間桁にぶら下がるように足場が組まれていましたが、やっと出来上がってご覧の通り。阪神淡路の大震災のあと都下でもあちこち高速道路に手が入っていましたが、ここは橋げたのつなぎ目が補強されています。思うにあの震災で高速道路がつなぎ目からはずれて、巨大な滑り台がいくつも出来たみたいな写真が連日新聞に載っていましたから、急きょこの補強なんでしょうが、さて? 「あるもの」に力が加わるとその力は「あるもの」の全体に伝播していきます。「あるもの」の強度が一定なら力は均等に分散されますが、「あるもの」の構造に強いところと弱いところがあれば力はその弱いところに集中します。応力集中が起きるんですね。で、淡路の場合はつなぎめ。だから都心もつなぎ目を補強。でも、でもですよ、柱は元のままなんですから。淡路の時はつなぎ目が弱いから、つなぎ目で切れてくれた。東京ではつなぎ目は補強したから、今度は柱ごと倒れたなんてことにならないでしょうか。気をつけましょう。

何故こんなところへ行ったかというと、この橋脚の下あたりに先日のムービー撮影のためにカメラを借りたレンタルやさんがあるんです。撮影が終わって機材を返しに行きました。撮影テープは見本市でパソコンから出力するかも知れないというので、DVDに焼いてもらうことにしたんです。

撮影の時に編集をいれないでもいいように、全てのカットを順番通り撮影しておきましたから、頭からぴったり二分だけ焼いてもらえばOKのはず。時間は「タイムコードになっています?」とお店の人。なんのこと? 「ちょっと確認しましょうか」奥からカメラを持ってきて、わたしが撮影したテープを入れて巻き戻し。頭でてますよ、とわたし。そうみたいですね、と言いながら店員さん再生ボタンを押します。白みがサーと流れていきます。店員さんいやに落ち着いた声で「なにも写ってませんね」「……」こういうとき、わたしでなくとも頭、真っ白になりますよね。二三秒で立ち直って、「でも現場で再生したときにはちゃんと写っていたんですが」店員さんもう一度テープを巻き戻して、再生。サーーーと白い画面。気の弱いわたしはこういうとき自分を疑っちゃうんです。ああ、立ち直れない! あの機械ははもう中国に向けて出航したかなあ、なんて頭の中で考えます。フル回転で考えて結論は、自費で中国へ行って、頼み込んで撮影してくるしかない、なあ。一万の仕事に6千円の交通反則金取られるよりきついなあ、なんてろくなことは頭に浮かびません。でも、確かに写っていた。ワンカット撮影ごとに再生して、それは現場スタッフがみんな見ている。うちへ帰ってからも再生してみた。ちゃんと写っていた。シーンの変わり目ごとのQ出しを忘れて、「スタート!」なんて元気のいいわたしの声が入ってしまっているのは愛嬌だとしても、確かに写っていたんだ! さっきまで。すこし、わたし、じしん、もどった。中国人の日本語見たいになりながら「すいません念のために、わたしがお借りしたカメラで再生して貰えません?」店員さん、いいですよと言わんばかりの表情で、今返したばかりのカメラバッグを振り返って一言「あ、ハイビジョンでしたね」おいおい、でしたねじゃねえだろう、こちとら寿命がちちじんだじゃねえか、ばかやろう、みたいなことを胸の内で叫ぶと、「ハイ、タイムコードですね、頭からきっかり二分、かしこまりました」だと。ふだんVTR撮っていれば、ああ、そのカメラじゃなんて言いながらウィンクできたのに、そんなゆとりのあればこそ。皆さん慣れない仕事は気をつけましょう。

把瑠都関

把瑠都関と某所で同席

そして最後に、チンペイが事故った。チンペイというのは映画監督の井上修さん。「出草之歌」のところでご紹介した友達です。その後の上映会も好評で、これからあちこちで上映されるそうです。120分は長いよ、とケチを付けたのはわたしぐらいで、おおむね長くない、時間は気にならなかった、と言うご意見が圧倒的。みんな優しいね、と思ったのはわたしばかりでしょうか。その井上さんに韓国の何タラ言う放送局がテープを貸して欲しいと言ってきたそうです。放送で一部使いたい、五六分の予定、とのこと。井上さん一分三万以下は駄目、って、本人としては思いっきり強気にいったつもりがあっさりそれでOKが出て、思いもよらず、大枚の臨時収入が入ることになったみたいです。「ワシ、その金、なんに使おうかと思ってさあ」だって。(手伝ったり、カンパしたりしたわたしに何か食べさせてやろうとか思わないわけ、真っ先に)井上さんいい気持ちになって愛車の、ヤフオクで五千円でゲットしたチャリンコを走らせて、三宿から銀座へ打ち合わせに。渋谷で車道をふらふら歩くおっさん一人。急にまんなかによろけて出てきたそうです。チンペイ(井上さんのことです)慌ててハンドルを切ったそうなんですが、そこに車! 急ブレーキをかけたら後輪が持ち上がってしまって制御不能。そのままその車にぶつかったそうです。幸いけがはなかったそうなんですが、ぶつけた車がマセラッティ。ちょこっと傷にして12万だったそうです。「わしね、韓国のお金右から左になっちゃったけど、残った分で自転車保険、はいるよ」ですって。皆さん、自転車といえども気をつけましょう。

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