
記録的に暑い夏に、熱い人達のドキュメンタリーを見てきましたよ。
キューバの「ソン」という音楽の演奏者たちがあるプロヂューサーに見出されてメジャーでアルバムを出したのが1997年。
そのアルバムが世界的に大ヒットして、そのアルバムができるまでとできてからの出来事を綴ったドキュメンタリー映画が上映されたのが2年後の1999年。
アルバムも買いましたし、ドキュメンタリーも見ました。
坂本スミ子やアイ・ジョージといった歌手を知っている世代には日本にもラテンミュージックが流行った時期があったことを覚えているでしょうが、その時耳にした「キサス・キサス・キサス」や「エル・マンボ」などが映画の中で歌われます。
ただそれが、日本のラテンブームのときに何度も来日したトリオ・ロス・パンチョスなどが歌っていたラテンの曲とはリズムと曲想が違うのです。
文化と政治の鎖国状態にあったキューバでそれらの曲が独特の進化を遂げて、「ソン」に進化したのです。
陸封された鮭がイトウに変わったような変化です。
政治的に見れば彼らの歌う歌がアメリカで受け入れられて、流行ったのは皮肉にも思えますが、音楽がその詩の内容を超えてリズムとメロディーが人々の心と身体に染み入ったんでしょうね。
実際、素敵です。
今回のタイトルにadiosとついているのは1997年のアルバムに参加したミュージシャンの殆どが鬼籍に入ってしまったからです。
それでも映画は面白かったです。
前のドキュメンタリーを見ていない方も楽しめると思います、おすすめです。
ウイークデーの午後にもかかわらず八割がた客席は埋まっていました。
客層は見事に年齢で統一されていました。
みんな60代以上、BVSCのメンバーの年齢に近づきつつある人達が支持したようです。