
4S
雨上がりの清澄公園。
枯れ葉のじゅうたん。
今日はこれから外のスタジオに入ります。
うちでも撮れるものなんですが、立ち合いが七人ということで、外の広いスタジオで撮ることにしました。
うちにスタジオの無いときは四谷スタジオというところに機材一式置かせて貰っていました。
身ひとつでスタジオに行き、撮影が終わると、撮影済みのフィルムをラボが取りに来てくれる。
それを渡して、身ひとつでスタジオを出ると銀座へ行く。
銀座では三州屋で時間をつぶすか、並木座で映画を見る。
二時間ほど時間をつぶして、ラボへ行ってテストの上がりを見て、本番の現像を指示する。
それから、途中で出てきた並木座へ戻りまた映画の続きを見る。
並木座では中途で出て、また戻ってくることが許された。
のんびりしたいい時代でした。
スタジオに機材を預けて置けるくらい、仕事もじゃんじゃん入っていた。
フィルムの撮影ではいつも「失敗」というプレッシャーがありましたし、現像機の中でフィルムがハンガーから落ちるという事故以来また落ちるんじゃないかというトラウマにさいなまれ、常に緊張しながら撮影していました。
デジタルは緊張しませんねえ。
失敗がないんだから。
たいていのことは後で何とかなってしまう。
フィルムではホコリがひとつ乗っていただけで撮り直しだったものが、デジタルならワンクリックでホコリは消える。
胃が痛くなるような撮影がないというのは好いのか悪いのか。
それが今日は久しぶりに外のスタジオを使うということで、ちょっと緊張しています。