
横須賀功光
横須賀さんの展覧会が開催中です。
EMON PHOTO GALLERYで7月21日まで。
上の小川さんと同期ですよね、たしか。
よこすかのりあき、という読みにくい名前を一度で覚えたのは、写真雑誌に発表された「射」という作品を見たからです。
小川さんの「NEW YORK IS」同様、衝撃的でした。
繊細で鋭角的で凄みのある作品でした。
今回それは見られないみたいですけれど、会期が長いので、ご紹介しておきます。
横須賀さんのことは小川さんからも聞いていました。
小川さんがコマーシャルへ転身したのも、横須賀さんのすすめがあって、当時既に人気作家であった横須賀さんが、 「NEW YORK IS」のあと、進路に迷っていた小川さんを資生堂に紹介したということらしいです。
それをきっかけに小川さんはMG5なんかでコマーシャル史に残る数々の作品を発表していくことになるわけです。
小川さんとは二人で一緒に、アメリカのフォトグラム作家に その独特の制作方法を教えてもらったことがあります。その後それぞれ、フォトグラムを作って見せ合ったのですが、そのときほんとうに肌で「才能」を感じました。
「なるほどね、才能があるっていうのは、こういう事を言うんだ」と、そう思い知らされたんです。
ですからそれ以降、私は自分に才能のないことを自覚しながら写真を続けてきたわけですから、それはけっこうイバラの道でした。
どん底にいて尚、自信を保つにはどうすればいいか?
未だに分からないんです。
絶対に勝てないと分かっていながら、リングに上がっていくボクサーの心境はどういうものなんでしょう?
既に鬼籍に入られた小川さんと横須賀さんのお二人が、同時期に展覧会を開いているのも奇しき縁なのでしょうね。