
24日に書いたヤフオクでゲットしたEF35/2レンズはこれです。
「外環は少しスリキズがあります」ということでしたが、ご覧の通りレンズ前玉おさえにかなりひどい傷があります。
これはレンズ押さえを外そうとしてカニメレンチを入れたときに滑ってなめた痕ですね。
傷の方向が反時計回りですからゆるめようとして失敗。
勘ぐれば出品者はレンズの曇りを拭き取るつもりで、ここを開けようとして失敗、そのままあきらめてジャンクとして出品、と想像します。
なぜカニメが滑るほど固く閉めてあるのか?
開けてみて分かったのですが右側傷の更に上にアタリがあります。
ネジの外周ですから、レンズ押さえがスムースには入っていきません。
無理に入れたときに斜めに入ってしまったようです。
ですから、開けようとすると非常な力がいります。
片手にレンズを持って、もう片手にレンチを持ってねじれば開くというような通常の硬さではありません。
つまりこのレンズは最初の修理を試みた人がレンズを分解、拭いたあとに、レンズ押さえを斜めってしまった。
それを購入した第二の修理者がレンズの曇りの拭き切れてないことを発見、開けようとしてなめてしまった。
それをジャンクで購入したのは第三の修理者、すなわち私です。
普通ジャンクでも、ここまでたちの悪いのは珍しいです。
以前購入したPlanar1.4/50などは「バヨネットをあててしまったのでジャンクで」と書いてありましたが、どうせEOS/CONTAXマウントを噛ますのだからとゲットしたんですが、なんの問題もなくマウントは入りました。
ジャンクと書かれていても、大概はあとのトラブルを怖れて、それほど酷くないものを敢えてジャンクとして出す場合が多いのですが
今回は上記のような塩梅でまさにジャンク。

まあでもなんとか外れました。
レンズ本体をバイスで固定、カニメを穴に差し込んで上からかなりの力で押さえつけながら、
カニメの足の間にドライバーを差し込んでテコにして廻しました。
CANONのこのEF35/2というレンズは写りは良いのに作りが超チープ!
レンズ押さえがアルミでレンズ側メスネジはプラスチックです。
だから斜めにもネジが入って行ってしまったということなんでしょうが。
まあちょっと傷だらけは気分が悪いのですが、こういうのはしばらく使っているとなじんでしまう経験から、早く慣れようと、、(汗。

で、レンズの曇りはさいわい拭きやすい所でしたから、あっという間に終わりました。
でも二万近い値段は出しすぎ。
この程度なら5千円ぐらいの所か。
今回は失敗!!!
私が分解掃除するときはこんな風にやります。右にある瓶はハンドラップといいます。
白いキャップを取って頭をペタペタ押すと中の液体が少しずつ出てきます。
むかし「銀一」にカシブチさんという修理の名人がいました。
名人の名にもれず腕はいいけど非常に偏屈。
気に入らない客には返事もしない。
あんなの、給料貰っている従業員の態度としては信じられないんですが、それで通っていた。
今時のマックやコンビニの紋切り型の挨拶からは考えられない愛想。
でも腕は良かったですし、丹羽さんもああいう従業員を可愛がって使っていたんですから、今時の社長とは違いますね。
そのカシブチさんに修理の仕方や注意をずいぶん教わりました。
このハンドラップも彼が取り寄せてくれたものです。
今ではハンズなどで簡単に手に入りますが30年以上前にはなかなか手に入らないものでした。
長持ちする道具です。
吸い上げるチューブが当初は生ゴムだったんですが、さすがにゴムけて駄目になり、いまはご覧のようにシリコンチューブ。
カメラの修理はだいたいこんな簡単な道具で直ります。
ここに写っていない道具としてはカニメレンチ2種、フィルター径のゆがみを直すレンチ、カメララッカーぐらいなものです。
安いジャンクがうまく直ったときは凄い得した気分になるんですがねえ。
今回は失敗でした。
レンズは直ってちゃんと使えるんですが、ちょっと引っかけられたという気分が残るのでスッキリしません。
まあ、勝ったり負けたりです。