与太郎
2008 年 6 月 15 日きのうの空です。
散歩している間にどんどん暗くなってきて、ついには大粒の雨が落ちてきました。
日頃の行いがいいので、一時間ほど歩いている間にどんどん暗くはなってきたのですが、
雨は落ちてこない。
遠くにあった黒雲がしだいにわたしの居る方へ近づきつつ厚みを増して、
家まであと100メートルというところで、降ってきました。
セーフ。
さて、話しは写真となんの関連もないのですが、久しぶりにご近所の猫の話し。
前にも書きましたがわたしの住まい兼スタジオはかつては棟割り二軒長屋。
それを互いに改築しまして、今は外から見る限り独立した二軒の家にみえます。
が、それは見えるだけで、実際は屋根裏がつながっている。
互いの大工の手抜きなんですが、まあそれで不都合はないからそのままです。
ところがここへ来て不都合が出た。
細かい話しは省きますが、例の猫共のうち、のらくろが天井裏へ入ることを覚えたらしい。
らしいというのは、うちの方へは来ないからで、もっぱらお隣の天井へ上がる。
ネズミを捕ってくれるのでそう文句も言えないのですが、猫嫌いには堪りませんね。
お隣は女所帯ですからこういうときに困る。
でも、わたしの話によく出てくる、断裁やさんのおじさんがすこぶる付きの親切ですから
見てあげましょうと言うことで、天井裏へ上がったらしい。
で、そのてんまつを道ばたで話しているときに、わたしが通りかかったんです。
呼び止められて「お兄さんのとこ、猫上がらない?」
笑っちゃあいけません、お兄さんの頃からの知り合いだから、今でもお兄さんて呼ばれるんです。
「おじさんに見てもらったら、穴があいてるらしいのよ」
おじさんていうのは断裁やさん。ちなみにわたしより年下ですがこっちはおじさん、わたしはおにいさん。
へへ、どんなもんです、、て自慢することでもないですね。
そして訊いてきたのがお隣の娘さん。
お母さんが高齢になってきたので毎日ようすを見に来ます。
これが娘時分は小町と呼ばれるほどの器量好し。
年が近いから当時は狭い路地ですれ違ったりするとき、どきどきしたもんです。
今? すれ違っても気が付かないことがある(笑。 失礼。
でまあ、おじさんが天井に上がって穴を見つけてくれたんですから、
軒を接するわたしが知らん顔もできないので、「じゃあ、穴の方はわたしがふさぎましょう」なんて、やすうけあい。
ちょうど我々が話しているお向かいが大衆割烹、外にトロ箱がたくさん積んでありましたから、
それをもらって、さっそく屋根に上がりました。たしかに穴があいてます。
ひさしの裏なので雨は吹き込まないけれど、生きものは出入り出来る。
よく年寄りが屋根に上がって落ちて死んだというようなニュースを見るなあ、
なんて思いながらそれでも無事に修理完了。
仕事早いねえ、とか、ありがとうございます、とかさんざん言われていい気持ち。
ところが。
翌朝、路地に発泡の細かい屑が一面に散らばっています。
ありゃ、猫が入り口をふさがれたんで、頭に来てひっかきゃがったな、と思って、はたと気づいた。
トロ箱と言やあ、生ものが入っていた筈。
猫は悪さしたんでなく食欲を刺激されて、この中に何かあるぞッてんで、引っかき回したんじゃない?
とほほ、とんだ与太郎でした。
二三日お天気が続いたら、また屋根に上がらなきゃなりません。
こんだはベニヤでふさぎます。