今年初めてのぎんなん
2007 年 9 月 18 日今年初めてのギンナンです。浜町公園のイチョウ並木、明治座脇で拾いました。今年は粒が大きいです。去年は大豆よりちょっとは大きいか、といった案配で剥くのも食べるのも苦労しましたが、今年は粒がそろって大きいようです。先日の台風の大風で落ちましたから、まだ青みが残って、種と果肉がしっかりと付いています。庭があればしばらく埋めておくこともできますが、下町の長屋住まいではそれは望むべくもありません。食べ終わったヨーグルトの空き容器に入れて水を張って腐らせましたが、腐らせようとするとなかなか腐らない。傷まないうちにとおもっていると、すぐ腐る。どうして世の中はわたしの思い通りにならないんでしょう? それでもようやくここまでたどり着きました。今年の初物です。食べる時に西を向いてにっこりすれば七十五日寿命が延びると、うちの年寄りが言っていました。毎年、春夏秋冬、季節ごとに何種類かの初物をいただき、その都度西を向いてにっこりすれば七十五日寿命が伸び、それを毎年繰り返していれば、人はなかなか死ななくなるんじゃねえの? なんて憎まれ口を言いたくなるのをじっと我慢して、年寄りにつきあっていましたが、この頃ではわたしが同席の若い人に同じことを言っています。「へえ、どうしてですかあ?」なんて素直に訊かれても、理由はわかりませんから答えようがない。おばあちゃんが言ってたから、てえのもマザコンより悪いババコンみたいでいやだし。なんとなく曖昧に、昔の人はそういったものよ、なんて。ちなみにこのお皿、随分使い込んでヒビなどは言っていますが、これは貫入ということで(あはは)雅に見てやってください。橋本成敏さんの作品。鎌倉で仕事をしています。この人の作品随分たくさん持っています。作家ものなのに、職人値段。まあこまらないから、お金に頓着しない、いい性格です。(笑)
前にも書いたという記憶がありますが、皆さん銀なんどうやって食べてます? 煎って酒の肴。いいですね、どう煎ります? 大概はほうろくに入れてから煎りでしょうね。焙烙がなければフライパンに入れてふたをしてぐるぐる廻しながら煎るでしょうね。そんな方にお知らせです。ちょっと試してみてください。フライパンに水を張ります。銀杏が半分浸るぐらいでいいでしょう。そこに塩を適宜入れます。そうして銀杏を廻しながら煎りつけます。水が蒸発してしまうと銀杏に霜が降ったようになります。すこぶるきれいな上に、それを歯で割る時に塩味が口に広がって大層おいしいんです。高級料亭では事前に割れ目が入れてあります。が、まあ家庭ではカリッと噛んでいただく方が野趣があっていいんじゃないでしょうか。これも行きつけの場所で教わりました。
今年もスタジオはうんちくさくなります。
ひろい食いぎんなんばかりは喜ばれ