エプソンからPX5500,5800が出ていよいよデジタルプリントもモノクロ時代に入ったと言えるんでしょうね。私の周囲でも5800を購入してアップルのモノクロ講習会に出たり、勉強熱心な方たちがいます。ただ、カラーの時はデジはデジらしくで良かったんですが、モノクロに焼くとなるとどうしてもデジがはき出す絵はのっぺりとした印象が強くて、昔スイスカメラで見たような力強い絵になりません。そこで、デジの絵に粒子らしきものを入れることによって、多少絵に厚みを加える方法をご紹介しましょう。例によって、ラッセルクロウのやり方に多少の変化を持たせたものです。先ずオリジナルですが、適当なモノクロ写真がないので、今年撮った箱根のカラー写真で説明します。

これがオリジナルです。粒子を入れるとなると通常、このオリジナルの複製レイヤーを作って、それにノイズをのせるというのが一般的ですが、ここではプリントサイズが変わったときにも対応できるようにノイズを入れてみましょう。写真は朝四時頃、山間をを雲が流れていく写真で、実際の方が幻想的でしたね。なにせ寝ぼけまなこで見ていましたから。
先ず、オリジナルの複製レイヤーではなく50%グレーのレイヤーを作ります。optionキーを押しながら「新規レイヤーを作成」ボタンを押すと
こんなダイアログが出ますから、ここで適当なレイヤー名を付けて描画モードを「オーバーレイ」にします。そして最下段の「オーバーレイの中性色で塗りつぶす(50%グレー)」にチェックを入れます。この状態では画像にはなんの変化も見られません。これが重要です。そしてCS3をお使いの方はこのレイヤーを選んでフィルターからスマートフィルターを選択します。こうしておけば、どんなフィルターを適用しても、あとでまた変更が加えられます。これはCS3の画期的な新要素です。そうするとこんな感じになります。

このGrainレイヤーにノイズを乗せます

ここではWeb用の軽い画像ですから、量はこんなものですが、これは皆さんが出力するサイズで、決めて下さい。A4出力ならモニター上でA4にして判断しますが、実際にプリントすると、感じがかわりますから、結局は何度かプリントしてノイズの量を決めることになります。「グレースケールノイズ」のチェックを忘れずに。この状態の写真がしたの様になります。

この状態で粒子を入れたと言ってもいいのですが、これだと粒子と言うよりは砂目スクリーンをかけた、感じですね。
ですからここでGrainレイヤーにボカシスマートフィルターをかけます。これもサイズが変わると感じが変わりますから、そのつどやり直して下さい。スマートフィルターはほんとうに便利です。
これも各自プリントサイズに応じて調整して下さい。ボカシ過ぎると粒子感が無くなり、ぼかし足り無いと砂目な感じになります。
これで、オリジナルのコピーに直接ノイズをかけなかった理由がお分かりですね。直接かけていたんでは、このボカシがかけられなくなるからです。
これで終了、でもいいんですが、ここからは好みの問題です。私にはこれはちょっと増感しすぎたかなあ、という感じがします。ですからGrainレイヤーの透明度を気持ち下げます。

まあ気の持ちよう、ぐらいの変わり方ですが、多少やわらかくなったんじゃありません? 試してみて下さい。モノクロでやると、もう少し劇的な変化があります。写真には、やっぱり粒子はあった方がいいのか知らん?