どこかでいい景色に出会って、写真を撮ろうと思ったときに「ああ、空がもっと青ければなあ」なんて思いながら写真を撮るのをやめたことありませんか? 今日からはそんな時にもパチッと一枚撮っておきましょう。そして以下のようにして青空を作り出しましょう。空を青くする一番簡単な方法は彩度を上げることです。でも、これ最悪です。著作権フリーの素材写真がありますね。例えば粗材次点とか不音万嘆とか、こういうのってたいがい彩度をめいっぱい上げて空を青く森を緑深くしてあるんですね。これが困ります。使う人は平気で使っているんでしょうが、かげで印刷屋さんが泣いています。何故って、彩度をむやみに上げた写真はCMYK変換したときに別物の写真になってしまうからです。写真家は彩度を上げない!ではどうする? トーンカーブでBをもち上げると空以外にも影響が、ではRとGを下げるのはどうか? これは結構いけます。急いでいるときはこれが一番。でももう少し時間があるときは………。とっておきの手があります。写真入りでご説明します。ただし、これ以上にうまい方法をご存じでしたら、教えて下さいね。
先ずこんな写真。

彩度上げたくなりますよね、こういう写真。でもそこをぐっと我慢。他の手を探しましょう(以降のお話はすべてPhotoshopで)。要するに青がほしいのですから、青のチャンネルをコピーします。そうするとチャンネルボックスにブルーのコピーという新しいチャンネルが出来て、それだけが選ばれて写真はモノクロ状態になります。そこで、コマンドJ(Winの方はそれなりに)。あるいは、レイヤー/新規/選択範囲をコピーしたレイヤー、で新しいレイヤーを作ります。そうしてこのレイヤーを「通常」から「焼き込み(リニア)」にします。あら、不思議、空が真っ青。

ここからちょっと面倒? 地面も空も青が強くなっているので、レイヤーマスクを作って地面と象だけ覆います。やり方はペンツールで切り抜いてもいいですし、色域でとっても結構ですが、ここではせっかくアルファーチャンネルがあるんですからそれを使います。「ブルーのコピー」チャンネルをえらんで、選択範囲/選択範囲を読み込む、で出来たての新規レイヤー上に選択範囲を呼び出します。更に選択範囲の反転、オプションキーを押しながら「ベクトルマスクを追加」ボタンを押します。あとは筆で地面の部分のマスクを真っ黒に塗っていけば(楕円で囲まれた部分が作業途中)地面は元に戻ります。この部分が複雑な場合はペンツールで切り抜きます。
ただしこのままではいかにもあざとい空なのでこのレイヤーの不透明度を加減します。

これが不透明度50%。このへんはお好みでいかようにもお決め下さい。
説明が下手なので複雑な手順に思われたでしょうが、やってみれば超カンタン。レイヤーは二枚だけというきわめて省エネ処理です。ここへ至るヒストリーもついでに載せておきます。お試し下さい。

