2005 年 2 月

人形町の猫 2

2005 年 2 月 27 日

あくびをする猫

水天宮の交差点から人形町交差点へ向かって右側、はじめの角に「寿堂」と言うお菓子屋さんがあります。前を通るとニッキの香りが漂ってきます。ここはよく露出しているので写真は省略。今はひな祭りの前と言うこともあって、雛菓子が一杯。私も毎年5x7センチ程の岡持に15個ほどの小さなお菓子を詰めてもらいます。あと5センチ角ほどのせいろに蕎麦を模したお菓子も詰めてもらいます。きざみネギと、そば猪口にそばつゆまで、みんなお菓子。
その寿堂の角を右へ折れて4,5軒行ったところに仕舞た屋があります。奥さんが家の前を掃除していたんですが、あんまり天気がいいのでご主人も玄関先へ出てきて、大あくび。それをちょっと撮らせてもらいました。
大したモンでしょ。私もこんな風になれたらいいなア。この年になってもまだあきらめたわけではないんです。もうひとがんばりして、是非こんな風にならなくっちゃ!
「ご主人」の名前、聞き忘れちゃいました。

門口で猫もあくびのひな祭り

なんてね。

空が思ったほど青くないとき、どうしてます?

2005 年 2 月 23 日

どこかでいい景色に出会って、写真を撮ろうと思ったときに「ああ、空がもっと青ければなあ」なんて思いながら写真を撮るのをやめたことありませんか? 今日からはそんな時にもパチッと一枚撮っておきましょう。そして以下のようにして青空を作り出しましょう。空を青くする一番簡単な方法は彩度を上げることです。でも、これ最悪です。著作権フリーの素材写真がありますね。例えば粗材次点とか不音万嘆とか、こういうのってたいがい彩度をめいっぱい上げて空を青く森を緑深くしてあるんですね。これが困ります。使う人は平気で使っているんでしょうが、かげで印刷屋さんが泣いています。何故って、彩度をむやみに上げた写真はCMYK変換したときに別物の写真になってしまうからです。写真家は彩度を上げない!ではどうする? トーンカーブでBをもち上げると空以外にも影響が、ではRとGを下げるのはどうか? これは結構いけます。急いでいるときはこれが一番。でももう少し時間があるときは………。とっておきの手があります。写真入りでご説明します。ただし、これ以上にうまい方法をご存じでしたら、教えて下さいね。
先ずこんな写真。

見本

彩度上げたくなりますよね、こういう写真。でもそこをぐっと我慢。他の手を探しましょう(以降のお話はすべてPhotoshopで)。要するに青がほしいのですから、青のチャンネルをコピーします。そうするとチャンネルボックスにブルーのコピーという新しいチャンネルが出来て、それだけが選ばれて写真はモノクロ状態になります。そこで、コマンドJ(Winの方はそれなりに)。あるいは、レイヤー/新規/選択範囲をコピーしたレイヤー、で新しいレイヤーを作ります。そうしてこのレイヤーを「通常」から「焼き込み(リニア)」にします。あら、不思議、空が真っ青。

見本

ここからちょっと面倒? 地面も空も青が強くなっているので、レイヤーマスクを作って地面と象だけ覆います。やり方はペンツールで切り抜いてもいいですし、色域でとっても結構ですが、ここではせっかくアルファーチャンネルがあるんですからそれを使います。「ブルーのコピー」チャンネルをえらんで、選択範囲/選択範囲を読み込む、で出来たての新規レイヤー上に選択範囲を呼び出します。更に選択範囲の反転、オプションキーを押しながら「ベクトルマスクを追加」ボタンを押します。あとは筆で地面の部分のマスクを真っ黒に塗っていけば(楕円で囲まれた部分が作業途中)地面は元に戻ります。この部分が複雑な場合はペンツールで切り抜きます。

ただしこのままではいかにもあざとい空なのでこのレイヤーの不透明度を加減します。

見本

これが不透明度50%。このへんはお好みでいかようにもお決め下さい。
説明が下手なので複雑な手順に思われたでしょうが、やってみれば超カンタン。レイヤーは二枚だけというきわめて省エネ処理です。ここへ至るヒストリーもついでに載せておきます。お試し下さい。

Photoshopのヒストリー

レイヤー

ハッセルと反省

2005 年 2 月 15 日

ゼロハリーバートン

過日、4x5はもう滅多に使わなくなったと書きましたが、大判だけでなく中判も滅多に使わなくなりました。何よりフィルムカメラを使わなくなりました。8x10だけは私がポラ転写という作品を作るために今でも使うことはあるのですがこれも仕事で使うことはもはや皆無です。ですからこのゼロ・ハリーバートンの中に眠るハッセルブラードも、もうずいぶん使っていません。丁寧に使ってきれいなので、いっそこれを売ってデジカメに換えるか、レンズも何か手に入れようと思い立ったのです。そんなことを思っているときに友達の写真家Oさんがスタジオを訪ねてきました。私はこの計画を彼に話したのですが、彼は一言「ハッセルは売らない方がいいと思うよ」とだけ言いました。
彼が帰ったあと、妙に心に引っかかる彼の一言を反芻している内に私は思い出したのです。写真を始めたころにいつかは持ちたいと思った夢のカメラが三台ありました。それは35mmのライカ、4x5のテヒニカ、そして6x6のハッセル。そのどれをも手にして、そして最初にライカを売りました。私の作品作りのスタイルには合わなかったのです。次にテヒニカを売りに出しました。ロケで4x5を使うことがなくなったのと別にビューカメラがあったからです。最後にハッセル。我に返りました。私はOさんにメールを書きました。

Oさん
忠告に従ってハッセルを売るのはやめました。
考えてみれば、写真を始めたころの夢のカメラだったんですものね。
使わなくても夢は手元に置いておくことにしました。

するとかれから「それはよかった……」という返事が来て、その中に、私が過去にハッセルで作った作品が列挙してありました。友達の方が覚えていたんです。このカメラが僕に与えてくれたものを!

本当に反省しきりでした。そして友達のありがたさをしみじみと感じました。

ご注意、「もくもく」が変わった

2005 年 2 月 14 日
もくもく
下町の大工センターとして知る人ぞ知る「もくもく」。新木場にあるので木のことならたいていは間に合う上にプロ用工具が安く手にはいるので非常に重宝していたんです。ベニヤ一枚買って加工を頼むと、極端な場合ハンズと千円も違うことがあったんです。それが、今年からすっかり様変わりをして、材木専門店になってしまいました。工具からネジ釘蝶番まで揃って材木を加工してもらってと、一カ所ですべて整っていたのが、残念です。でも日曜日だというのにこの車の少なさ。さびしさ。変更がもたらした結果だとしたら….以前は日曜日は駐車しきれなかったんですから、雲泥の差です。材木は相変わらず安いです。加工も充実しています。でもここで木を買って、道具はハンズへ、というのは面倒な。
目的のものは手に入らず、仕方なくサイクリング。荒川河口橋を渡りました。下にはこんなものが。
筏

ググる

2005 年 2 月 12 日

過日、知り合いの、新生児を研究されているドクターのことを人に紹介することになって、「そういえば、親しくお付き合いしている割には日常のこと以外はあまり彼のことを知らないなア」と思いついて、Googleで彼の名前を入れて検索をかけてみました。日本での新生児研究の第一人者ということもあって、さすがに2450ヒット。普段冗談ばかりか、時には「先生、それは間違ってます!」などとタメにお付き合いを頂いてはいましたが、こうしてみるとさすがに社会的な評価というものはすごいものだなと思い知らされました。まあこれでつきあい方が変わるわけではないんですけど。
で、ついでのことに海外ではどうだろう? ワールドワイドに活躍されているからこちらもきっとと、本来の目的からはずれた興味に引きずられて検索してみたら、これが凄い。41700ヒット。ドヒャーッ! さすがさすが、と思いながら詳細に見ると結構同姓同名が多い。これは彼の名前がわりに平凡なよくある名前だからなんでしょう。ただ漢字で書くとよくある苗字をあまり使わない漢字表記で書くものだから、関連ヒットは少ない、でもローマ字にするとただのよくある名前になって、同名が大量に混じってくると言うことでしょう。ざっと見て半分以上、三分の二ぐらいは同名他者のようでした。それでも14000件近いヒットですからこれはすごい。
ココまででしたら彼に対して新たに尊敬の念を深め、酔えば相変わらずからんで、とあいも変わらないお付き合いを頂くだけなのですが、ココで悪魔が私にささやきました。「おまえは、どうなんだ!」考えても見ませんでした。商業写真のなかでもブツドリといわれている我々の仕事は華やかな世に言う「カメラマン」とはほど遠い、裏方の職人仕事です。作った印刷物は匿名、自らの創造意欲よりはお客様の意向優先、たまにものを言うことがあればお客様の意向と、お客様が望んでおられる絵づくりとがかけ離れているときに、おそるおそる御意見を申し上げる程度で、ほとんどは右を向けといわれれば右を向く商売ですから、自分の名前を検索してヒットなぞするわけがないのです。
でも、悪魔の誘惑には勝てませんでした。「風間雅昭」と入れて、ググって見たら、なんと、29件もヒット!しかも同姓なし、100%私。ちょっといい気分。

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これだけなら別に大げさに「悪魔のささやき」と言うこともないんですが、「海外では?」と囁かれたのがまさに悪魔のささやきでした。masaaki kazamaで検索したら、なんと、11,000件ヒット。これは同姓同名の有名人がいるぞ、と仔細に調べてゆくと、ん?「これ、ほとんど俺じゃないか?」という状況が出現。狐につままれたような、とはこういう感じか。何年か前にニューヨークで二回、プリンストンで一回グループ展をしたことはあります。Mapplethopeと同じ壁面に自分の写真があったのを見たときは卒倒しそうにうれしくなりました。現地の写真専門新聞に何行か書かれたこともあります。しかあしっ!それだけ!マスコミが取り上げたこともなければ、有名な評論家が支持してくれたわけでもありません。ただやったというだけ(二点売れましたが)、それがなんということでしょう。
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念のために、イメージ検索をかけてみました。35件のヒット中私のものは24件、約七割が私。この確率を件の検索結果に当てはめると、7,700件の私がヒットしたことになります。そのほとんどで私が預けたこともない私の写真が売られています。私が直に売るより高いところもあります。何故かくも不思議な現象が出現したのか? 答えは簡単に導き出せました。私が写真の管理をお願いしているエージェンシーから流出したのです。

写真家の皆さん、気を付けましょう。そしてたまには自分の名前をワールドワイドで検索しましょう。恐ろしい事態が起きているかもしれません。「あな、恐ろしきはデジタル社会」です。エージェンシーと相談した結果は「あまりに数が多すぎて、訴訟は現実的でない」ということでした。泣き寝入りしろってことらしいです。豊島の人達の悔しさがわかるなあ、私にも中坊公平が現れないかなあ、と虫の良い思いを抱いてしまいました。

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