訃報
2014 年 2 月 27 日パコ・デ・ルシアが死んだ。
公演先のメキシコで心臓発作を起こしたらしい。
私の一番好きなギターリストだった。
初めて聞いたのは車の中で、ラジオから流れてきたライブ音源だった。
ギターデュオの演奏でその二人の演奏がものすごかった。
ものすごいテクニックで(ホントはあんまり詳しくないので、テクニックまではわからないんですけど)ともかく速弾きでその速弾きのほんとに細かいフレーズまでピッタリと合っている二人、まさに超絶技巧だった。
特に左チャンネルから流れてくるギタリストの音は今まで聞いたことのないものだった。
なんと形容していいかわからない、ともかく聞いたことのない演奏だった。
速くて、怪しくて、ビートが心臓に突き刺さってくるような演奏だった。
車を止めてその演奏を聞きました。
演奏が終わって 演奏者の名前を聞き逃すまいとしたんですけど、それはアナウンスされなかった。
後日、音楽に詳しい、本当に詳しい友達にその話をしたら「曲名がわからないからなんとも言えないけど、風間さんがそう感じたならそれはパコ・デ・ルシアだと思うよ」
まさにそのとおりでした。
「Friday night in San Francisco」というそのCDの一曲目が私の聞いた演奏でした。
話せばいくらでも話はあるんですが、まあ止めておきます。
多分詳しい人達が沢山解説するでしょうから。
「しかし、今まで聞いたこともない演奏だったよ。怪しいんだよ、妖艶」
「スパニッシュで一番大切なものは、技術じゃない。デュエンデなんだよ」
その友達は僕の聞いたパコの怪しさをそう説明してくれました。
スパニッシュに名手はたくさんいますが、パコのデュエンデは私には特別でした。
ほんとうに残念です。
そしてもっと残念なのは、日本ではあまりデュエンデを感じる演奏に出会えなかったことです。
リンク先の一曲目が、私が衝撃を受けた曲です。
書き忘れましたけど、パコの凄さはリードしてる時もそうですけど、バッキングに回った時の凄さなんです。
サッチモもそうでしたよね。
リードはあたりまえだけど、バックに回ると、リード奏者が普段演奏しないような演奏を引き出させる。
ああ、もったいないなあ。死ぬと全部持って行っちゃうんですからね。。。