猫
2011 年 9 月 7 日人形町に猫はたくさんいますが、わたしの所へ来るのはとうとうこの一匹だけになりました。
毛艶も悪く前年の冬は越せないんじゃないかと思っていたんですが、無事に冬を越して
この夏の暑さにも耐えて、がんばっています。
一日中寝ていますが、こんな風でも、紙の断裁やのおじさんが雀に餌をやるときに
一番気をつけているのが、こいつなんです。
いちど、捕られたことがあって、まだ俊敏さはあるみたいです。
うちの裏に、よそから大猫が侵出してきて、裏で暢気に暮らしていた猫はすべて他所へ行きました。
所がこいつだけは今まで通り暢気に暮らしています。
いじめられない理由は定かではありません。
猫嫌いがたくさんいる人形町に、猫好きも大勢いて、区のボランティアが猫の餌をおじさんとこへ運んでいることは 、猫好きだけが知っています。
うちの裏から追い出された猫たちはおじさんと新聞屋さんの所で休んでいます。
道を行く猫好きが声をかけますが、決して近づこうとしません。
小さいときに余程いじめられているんでしょう。
本当の意味で、野良猫です。
これの親たちは多いときは十数匹、裏で遊んでいたんですがねえ。
夕方になると断裁やのおじさんの猫釣りに付き合ったりしていたんですよ。
おじさんの投げるルアーに食いついて、おじさんに釣られるわけです。
おじさんがリールを巻いても放さないで、ある程度まではずるずる引きずられてきます。
で、1メートルぐらいまで引きずられてくると、パッとリールを放して、またおじさんの投げるのを待っています。
おじさん、猫と遊んでるんだか、猫に遊ばれてるんだか。
たった一匹の横暴な振る舞いで、そういう景色は見られなくなりました。
人の世と猫の世界とくらぶれば猫が良いやら人が良いやら