個人的なこと

2020 年 4 月 2 日

さくら

今朝の浜町公園です。

ちいさな公園に若い桜の木が何本かあります。

オオシマザクラ、ソメイヨシノ、ヤエザクラ、シダレザクラと一応揃っています。

今朝からの風でもまだ割としっかり枝についています。

実は親しい友人が昨年の夏に倒れました。

たまたま倒れた時に一緒にいたので、救急搬送に同乗したり、その後の病院の手配やら、その友人が五十年続けていたお店の廃業手続きやら、片付け、親しく足を運んでくださった方々へのお知らせと挨拶等々することが山ほどありました。

倒れた時にすでに人事不省、左半身麻痺、長くはもつまいという聖路加の医師の診断。

連れ合いをすでに亡くされていたので、妹さんと私とでさまざまの事に対応したのですが、二度と意識の戻ることはないと言われ、明日逝くかもしれないし、半年先になるかもしれないとの曖昧で気持ちの決まらない時を過ごす日々を重ねてきました。

ですが幸い、搬送された時の絶望的な状況からいくらか小康を保って自立呼吸で眠っている容体まで、安定しました。

そうはいっても、当時は来年の桜まではもたないと思われていましたが、その桜ももう散り始めています。

今はコロナの影響下で病院には一切見舞えませんが、そして本人の生前の意思通り最低限度の延命処置にも関わらず、日々穏やかに息をしております。

身近にこういうことがあると、景色や花や生き物やを見る目が変わります。

人間はその場に立たされてみないと身につまされてものを考えないので、今になってこの50年の付き合いの中でこの人が示してくれた友情を感じています。

元気な時に何分の一かでも返せていたらとも思います。

今更言っても詮無いことですが、その人を知っていてくださる方々へその後の様子と今も穏やかに眠っていることをお知らせしたくて書きました。

櫻花狂おしこの春ひとしお   藤田くみ子

変わったKURAGE

2020 年 3 月 24 日

隅田川

今朝の清洲橋下です。

ちょっと気取った写真が撮れたから載せたわけではありません。

上部の黒っぽい固まりの中にクラゲがいるんですが、とても小さくて変わった形なんです。

三つのお椀を伏せたような形のドローンがありますよね、ちょうどあんな形をしていて、その三つのお椀を上下に羽ばたくようにして移動していました。

で、そのクラゲを撮ったつもりがとんだ芸術写真写真になっちまいました。

芸術といえば今日のネットニュースに「抽象画にコンピューターでつけた難解な名前を題名にすると評価が上がる」て記事がありましたが、それって結構あるあるでしょ。

一枚の絵なり写真なりにつけるタイトルの傾向として、例えば百合の花のアップがあるとして写真関係の人は「百合」とか「雌しべ」とか「貴婦人」とか割と素直というか二科会的素朴なタイトルが多いんですけど、美術系の人たちはもう少し意味ありげなタイトルを好みます。「憂鬱な花芯」とか「見えざる欲望」とか、中にはもっと訳のわからない「雌しべに見る形而上学的美の傾向」なんて、いかにも深い意味がありそうで内容のないタイトルを好んだりします。

写真や絵や彫刻にタイトルは必要ですか?

詩や小説にはタイトルが必要なのはわかるんですが。。。

と、まあ、今朝も散歩しながらくだらないことを考えて、肝心のクラゲの撮影には失敗したカザマでした。

しつこいけれどターナーの空

2020 年 3 月 23 日

雲

今朝の空です。

散歩の途中七時半頃ポツポツと降ってきました。

アメッシュで見ると、中央、港、江東のあたりにだけ薄い雨雲がかかっていました。

金曜日の昼間に上野と谷中の桜を見に行ったんですけどまだ三、四分咲きでしたが、今朝の浜町あたりの桜はもう八分咲き。

日曜日の暖かいのが効いたんですかね。

今年はどこも都内の桜の見どころ場所は宴会禁止だそうで、結構なことです。

ついでにあのぶら下がっているぼんぼりも禁止になればもっと良いのになんて思っているひねくれ者です。

みなさま、コロナにはお気をつけあそばせ。

都鳥異聞

2020 年 3 月 18 日

都鳥

写真は昨日、隅田川右岸清洲橋と永代橋の間に群れるユリカモメです。

今朝は同じ場所はもちろんこの場所の上流にも下流にもユリカモメの姿は一羽も見られませんでした。

寒いさなかにはたくさんいたおしどりはもう姿を消して、この頃はもっぱらこのユリカモメばかり。

昨日と今日で何が違うのか、潮見表を見てみますとどちらも小潮です。

ただ、小潮でも昨日は満潮と干潮の差が明確にありましたが今朝は干満の差がほとんど無く、潮が動かない状態が午前中ずっと続いています。

違いといえばそれくらいで、潮が動かなければ微生物も流れてこないので畢竟イナッコなどの稚魚も餌を追って水面に群れることもなく、したがってそれを捕食している水鳥も現れなかった、というのが釣り好きだった素人の推理ですが、もしそうだとして鳥はなぜそれが判るのでしょう?

今朝は潮が動かないから東京湾から隅田川まで遠征するのは無駄だからやめておこうぜ、って言い合ったか言わなかったか、そこはわかりませんが、不思議なことです。

隅田川、それほどきれいでもなく、そこに住む魚種も数種類でとても豊かな川とは言えない東京の川ですが、私はこの川が好きです。

ブリジストン美術館

2020 年 2 月 3 日

ブリジストン美術館カタログ

京橋のブリジストン美術館がビルごとリニューアルされて、「アーティゾン美術館」となって再出発。

3月31日までは日時指定予約制で公開中なんです。

ブリジストンが持っていた収蔵作品を展覧しているんですが、この日時指定予約というのが絶妙でした。
何が絶妙かというと、一時間半ごとにズラしながら入場制限がかかっているネット予約なんですがその入場者数が絶妙なんです。
ガラガラではなく、混雑しているわけではなく、絵の前に行列ができることもなく、行ったり来たりしながらの鑑賞も問題なし、それでいて大勢の人が入っている感があるんです。

入れ物のデザインも素晴らしく、案内のサインも秀逸。

案内サイン 案内サイン

そして館内どこでも撮影は自由に出来ます。

ブラック

ピカソ

作品の撮影も自由。
ちなみにこれはブラックとピカソ。
いいことずくめの様ですが、玉に瑕も二つばかり。
一つはスタッフが着ている制服。
オXXXX教を連想させる様なそれはちょっといただけない。
あと美術館の名前は元の「ブリジストン美術館」であって欲しかった、と私は思いました。

旧ブリジストン美術館

でも相対的には感じの良い、よく考えられた美術館になっております。一見の価値ありです。

敵わないなあと思うこと

2020 年 1 月 31 日

枯葉

敵わないなあと思うことは色々ありますけど、身近なところでは写真家ですね。この人には敵わないなあと思う写真家を挙げればすぐに百人くらいあげられそうですし、写真家以外の人に広げればそれはもう無限と言っていいほど居ます。

で、それはまあ己の凡庸さを受け入れれば済む事ですが、真に敵わないなあと思うのはやっぱり自然。
今朝の散歩で拾った落ち葉ですけど、どうよ、このデザイン、色使い。
画家は自然を模倣するって言いますけど、実際感服しますね(指がきたないけど)。

まあそれと自然のうちなんですが、太陽が地球上に見せるライティング、これも敵いませんね。

だいたい写真家は(私が意識しているのは商品写真家ですが)面で光源をこしらえてライトを組みます。
ところが太陽は点光源の一灯ライティングです。
返しのレフも使いません。
それでメリハリがありかつ柔らかいライティングを見せます。

佃島

これも今朝の隅田川から佃を撮った写真ですがいい感じですよねえ。

太陽が点光源と言っても無限遠からの点光源は面光源と考えていいんじゃないかと言う声も聞こえてきそうですが、次の写真を見てください。

隅田川

佃を撮った位置でレンズを下に向けた写真です。
こんなに細い被写体の影をこれほどくっきり落とすのはやっぱり面光源ではできない技ですよね。

もともと写真家が面光源を多用するのは影を殺すためですから、影のくっきり出てしまう点光源は使われないんですね。

でも太陽が見せる点光源一灯ライティングは見事ですよねえ。

点光源を使う写真家を私は一人知っています。
Arnold Gilbertというアメリカ人。
もともとは写真のコレクターとして著名な人です。
この方の息子さんが日本人と結婚されているので、来日されたこともあります。
その時に日大で講演もされています。
私は実際にお会いしました。
彼以外に点光源で写真を作る写真家を私は知りませんが、彼は撮影しないんです。
撮影しない写真家って、矛盾していますが、彼はフォトグラムの作家なんです。

フォトグラムといえばマンレイが有名ですが、マンレイのフォトグラムは世の中がありがたがるほどには傑作とは思えません。
あの程度は私にも作れます。
が、Gilbertさんのフォトグラムはちょっと真似ができません。

Gilbertさんにお会いする機会のあった時に私も自分の作ったフォトグラムを持参したんですが、そして彼は褒めてくれましたが、私のはマンレイ調の誰にでも出来るフォトグラム。
彼の賛辞は社交辞令です。
その時彼が教えてくれたのは「私はワインとチーズを持って暗室に入る」でした。
つまりワインを飲みチーズを食べフォトグラムを作る、それが楽しみだということでした。
その時に、色々教えてくださったのですが、彼の制作上のノウハウでもありますので細かいことまでは書きませんが、使うのは点光源だということでした。
そこから、誰も目にしたことのないフォトグラムの世界が開けてきます。
ググれば作品のいくつかは見つかると思います。
モチーフが何か、どういうライティングなのか、想像すると眠れなくなりますよ。

とりとめなく色々書きましたが、まあ世の中は敵わない人、ものだらけですね。

でもその敵わない人たちの拵えたものを見る自由はあるわけですから、そうがっかりばかりしないでもいいのかなと思います。

お天気の良い、風の強い朝でした。